芸術体験
今年はいろいろな芸術に触れる機会が多いのですが、今月は特に心に残る二つの舞台を観劇しました。
まず、京都で上演されている「ギア」を観劇しました。
この作品は“日本発・日本初のノンバーバルパフォーマンス”として有名ですが、実際に体験すると「セリフがない」ということを一切感じさせない。役者さんたちの表情や仕草、ほんの小さな動きの積み重ねだけで物語が紡がれていく様子に圧倒されました。
特に印象的だったのは、ちょっとした表情の変化が観客にダイレクトに伝わってくる瞬間。
喜びも悲しみも、一言も発していないのに「こんなに伝わるのか」と感動しました。
舞台美術や照明の演出も見事で、無駄が一切なく、すべてが“伝える”ために組み込まれているのだと感じました。
映像を仕事にしている自分にとって、言葉を使わずに伝える力の大きさを改めて学ばせてもらった舞台でした。

続いて足を運んだのが、神奈川県で上演されている「えんとつ町のプペル」のミュージカル。
絵本も持っていて、映画も観てきた作品なので、舞台でどう表現されるのかとても楽しみにしていました。
実は、Vamiは公演までの裏側をYouTubeでずっと追っていて、舞台に立つまでの努力や葛藤を知ったうえで観劇。
一方で私はネタバレを避けたくて、あえて予備知識をほとんど入れずに劇場へ。
全く違うアプローチで向き合ったのに、結果は同じ――気づけば90分のうち半分近く、確実に涙を流していました。
出演者の熱量はもちろん、舞台美術や音楽、照明、そしてそれらを支えるスタッフの想いが一体となって、圧倒的な世界観を作り上げていました。「いろんな人が必死になって一つの作品を完成させる」という当たり前のことが、これほど心を揺さぶるのかと実感。
最後の最後まで、胸が熱くなる体験でした。
「ギア」と「えんとつ町のプペル」、表現方法もスタイルもまったく違う作品でしたが、どちらも観客を巻き込む力がとにかく強い。
そして、自分がこれから手がける映像や演出に直結する学びがたくさんありました。
言葉を使わずとも伝わる「ギア」。
徹底した熱量で心を動かす「プペル」。
この二つの感動を、必ず自分たちの仕事にも生かしていきたいと思います。
